七五郎沢

 Xトレイルに詰めるだけ詰め込んで久しぶりに七五郎沢のゴミ処分場へ行った。樹木もなくもちろん花もないが汚くはない。一昔前の悪臭の中にゴミが舞い上がっているゴミ捨て場の景色ではない。鴉もいない。なだらかな曲線を描く丘陵が広がっている。
 しかし、以前来たときより底は浅くなっている。ゴミはその都度埋められて見えなくしているが、その分七五郎沢も沢の形を失いつつある。あと何年かで平らになってしまうだろう。
 私の車はその広大な凹地にできたニキビのような今日の集積場に向かう。金属系の粗大ゴミと、不燃部分を含む木部の多い粗大ゴミと二つのニキビを巡って、Xトレイルの荷台は入れてきたダンボールの空箱だけになった。空箱がいっそう軽さを感じさせる。沢が浅くなったことへの感傷は何処へやら、臭い物に蓋をして、もったいなさにも眼をつぶり身軽になった。帰りの計量では心が軽くなった分も計られたような気がした。