{季語閑語]

 雪掻きを終えて遅めの朝食後、新聞を読む目をふと目を上げると静かに雪が降っていた。
 昨年の暮れから句帖を探していた。本屋や文房具屋の手帖のコーナーもほとんどが横罫で句帖にはならない。それなりに好みの雰囲気も…となると全く見つからない。だからといって札幌や東京ならなどと考えるほどのものでもない。
 句帖は一昨年から使い出した。たまたま購入した俳句雑誌の付録に付いてきたものが使い始めだ。昨年は貰ったものを使った。どちらも一頁に6−7句分の縦罫がひかれそのほかに一切無いのが善かった。
 ふと思いついて手作りで作ることにした。B5版の紙に4頁分の罫線を引き、スキャナーしてレイアウトソフトで上下左右をあわせ、持っていた薄いクリーム色の上質紙に印刷してみた。B7の大きさに折って接着剤で綴じた。なかなか良さそうな句帖ができた。のり付けして、背表紙の辺りをしごく指に影が流れる。ふと窓を見ると陽差しの中を雪が音もなく降っていてその影が部屋の中を流れているのである。知らぬ間に静かな時間も流れていた。
  降る雪の影綴じ入れて句帖でき   未曉