迷っていたが、チベット展に行ってきた。インドから中国へ信仰の中間点としてのチベットが具現されていた。
日本では仏は赦す姿をしていることが多いが、チベットの神々は叱る眼が印象的だった。見る人たちは、叱られることで自分が救われることを願っていたのか…。中国の皇帝が、水源のごとくチベットの仏教を大切にした証として献上した仏体、仏具もあった。それは日本のそれに近いものだった。
 暗く涼しい美術館から暑く明るい陽差しの中に押し出されながらそんな印象を持った。
  叱る神赦す仏やチベット展   未曉
 いつもの特急北斗での往復。窓外は秋の野花が黄色い色だけを眼に残して飛び去る。
  特急の秋草黄色のみ見せて   未曉