白樺山・ニセコ

 G山の会に加えて貰った最初の頃、目国内岳に登り次の日長沼からシャクナゲ岳を登ったことはあるが、間の白樺山は登っていない。目国内は歯ごたえもあったし、翌日のシャクナゲ岳も長沼上部から登り、折り返してチセヌプリを超えて道道456号線の登山口に降りるコースだったので、山歩きを始めたばかりの私にはハードな内容だった。特にチセヌプリからの車の中では太股の内側が吊ってしまって苦しい目にあったのを覚えている。だから途中の白樺山のことなど地図もまともに見ていない私にはそれこそ「眼にも留まらない山」でしかなかった。北海道新聞社刊「夏山ガイド」にはシャクナゲ岳登山、目国内側コースからの途中峰としか書かれていない。
 目国内登山口駐車場は満車状態、溢れた車が道路脇に並んでいた。どうやら筍採りの人たちらしい。早朝から来ていたのだろうか、もう一仕事終えた人たちが休んでいる中を、少し離れた道路脇に車を停めた私達は登山姿に少し恥ずかしさを覚えながら登山口から登り始めた。登山道は沢山の人たちに踏まれて少し水気のあるところはぬかるんでいる。いつものように目にとまる花を撮しながら登っていく。いつもと違うのは筍採りの人が一緒だったり、途中に現れたり、目印ならぬ音印とでもいうのか高い枝にラジオが鳴っていたり、獲物を入れる車付きのかごがあったりやたら賑やかなことだ。両側の藪の中は見えないが、相当な人が入っているだろうと思われる。これなら熊の心配は無い。熊の痕跡も見あたらない。あっけない感じで樹林帯を抜け892Mポコに出た。筍争奪戦場からも抜け出た。山歩き人間の世界が開けている。道は鞍部気味のところに少しくだってその向こうの目指す白樺山に登っていく。違う種の花が咲き出しその数もとても多くなった。フウロソウゴゼンタチバナ、エゾイチゲ、アカモノ、ハクサンチドリと花を追っていく内に石が岩に変わり頂上部に取りかかる。アズマギクが多くなりそれに誘われるままに頂上に着いてしまった。それでも遅かったのか、女性二人に追い越されながら着いた頂上からは東にシャクナゲ岳、西に目国内岳が繋がっている。神仙沼にでも車を置いておければ、このままシャクナゲ岳への縦走路を辿るのだが…。目だけで足下の白樺岳とシャクナゲ岳をつないだ。ここを歩けばイワオヌプリから目国内岳まで繋がることになるのだが…とどうでも良いことを未練がましく考えた。

                       白樺岳山頂から目国内岳
 昼には未だ早い。羊羹タイムにして923Mの白樺岳を後にした。