時間つぶしの本屋で「角川春樹句会手帖」という本を買った。各界の先端を行く人たちを句会に招き、その俳句を角川春樹がまな板の上で切り刻むと言う内容である。獄中のこと、外国のこと、専門分野専門用語、句会参加者の性向、果ては下ネタまでが五七五で乱舞する句会である。言葉遣いには理解できないというより着いていけない思いをしたが、角川春樹のきわめてとぎすまされた俳句感覚が核心を突いていく心地よさで詠んでしまった。
    月の湖水音一つそれっきり    未曉
    梅雨晴れてカレンの唄に併走す  未曉