季題「土筆」
  つくしんぼ坊と呼ばれて群れ遊び   未曉
 蒜沢の川沿いを歩いた。沢の向こう壁は庄司山の西斜面ということになる。雑木がイノシシの剛毛のようにその斜面を覆っている。その一本一本の雑木の根本は、その気に合わせて円形に雪が穴を開けている。木が無数にあると言うことは雪の穴も無数にある。どんな細い木にもそれにふさわしい穴がある。入り口か出口かは分からないが明確に大地の春と結びついている場所に見える。
  雪の穴すべて木を立て揺らめきぬ   未曉