資料発見

 前号創刊号から百号までの時は、青雲時報そのもののバックナンバーをそろえるのに苦労した。と言うより、幾号かはついに発見できず欠落のままだった。今回はその経験に懲りて保存がしっかりされていたので全く苦労は無かった。今回困ったのは学校関係の資料である。縮刷版にはその裏づけとなる学校の歴史、年表が欠かせないが、函館東高校が閉校になってしまったので関わる資料が所在不明なのである。函館高校は函館東も函館北も受け継がないというコンセプトらしく、両校夫々の匂いのするものは引越しの時に邪魔者扱いされた傾向がある。どこか一部屋そのために作るくらいのゆとりが無かったのかと市教委の統合に対する意識の低さにあきれるばかりである。
 私たちが探したものは校務日誌、大切なものである。函館東高校は50年誌を刊行しているがその後の分は校務日誌しか歴史を語るものが無い。それなのにいままで探してもらったが無かったのである。校務日誌が無ければ、縮刷版が薄っぺらなものになってしまう。「校務日誌が捨てられるはずが無い」というそれだけを頼りにしつこく探してもらった。
 有った。ダンボール一函に入って函館高校の一室に有った。昨日借りに行ってきた。部屋も明るく、状態も良かった。大事なものとしてそこに置かれた気がする。ただその箱の表には、預ける場所と決められた「千代台小学校」と書かれていた。その通り千代台小学校に行っていれば、最初の資料探しの時に見つけられていたはずだ。先生たちの迷いと引越しの時の混乱が伺える。歴代校長先生の写真額も揃って有った。
 丁寧に扱うことを言葉で伝え肝に銘じてお借りしてきた。大きな問題の一つが前進した。