季題「西瓜」
  私は西瓜はあまり好みではない。出されれば口にするくらいだ。この頃は買ってまで食べることはほとんどない。しかし娘たちが子どもの頃はよく買っていた。長女が汁を吸うくらいしかできない誕生前に大きな西瓜を買ってしまったことがある。長女を座らせその足の間に大きな西瓜を抱かせて写真を撮った。構図と言い娘の表情といい私の最高傑作写真だと思っている。
      大西瓜吾子を凭たせて写りけり    未曉
  そして私が子どもの頃も別である。西瓜は親父がときどき勤めの帰りに縄にぶら下げて買ってきたきた。親父の思いつきか、母には重いから言われて買ってきたのかはわからないがそんな父がかっこよく見えた。その頃我が家はポンプ式の井戸水だったのでそれで冷えるまで待つのがもどかしかった。
      包丁の西瓜に消えて子どもの眼    未曉