五稜郭公園の桜の様子を見に行った。一の橋を渡ろうとしたら一人の顔が目を捉えた。Yoである。中学から高校時代にかけての友人である。30年以上会っていない。杖をついてゆっくり歩いてくる。声をかける。橋の上で立ち話が始まった。いろいろ話したいこともあったが、病み上がりで快復のための歩きのようだったので長話はできなかった。もともとやせた男だったのでやつれた感じは無かった。再開を約して別れた。心配だったが、心配していることを気取られないため振り返らなかった。桜はまだ七分咲きだった。お互い花が散るときの再会でなくて良かった。
   旧友と逢ふて城址の七分咲き   未曉
 義母を送って椴法華へ車を走らせた。函館山から竜飛方向へ津軽海峡に春の日差しが反射の帯を輝かせていた。
   海峡を狭めし金波春の海     未曉