駒ケ岳山麓・貧乏人根性

 大沼トンネルを抜けると駒ケ岳が青空に美しい。今日は曇りがちの天気予報だったがいつもどおり良い方に外れて絶好のトレッキング日和だ。
 国際セミナーハウスの駐車場に車を置き、湖畔を歩き出した。湖畔一周道路は雪が無い。背中のスノーシューがおおげさかな?と思えるような歩き始めである。
 四季の森の別荘分譲地に入っていく。除雪がしっかりされているが何人の人がこの分譲地で生活しているのだろう。見回しても建物も見えないし、あっても住んでいる気配が無い。それでも丸沼付近まで来ると、煙が出ていたり玄関前に車が停まっている家も見えてくる。
 この辺りでの別荘暮らしはどうなんだろう…などと貧乏人なりに考え出してしまう。どんな理由でここに家を建てなのかは人それぞれだろうが、最初考えたように使えているのだろうか、最初だけで後は何年もほったらかしになっているのではないだろうかなどと余計なお世話ではある。
 きっと長続きしている人はしっかりした自分の生活スタイルを持ち続けることのできるエネルギッシュな人だと思う。何もしないことほど難しいことはないし、何をしてもいい中から自分で何かを見つけることも難しい。社会的なつながりが強ければ自分がすべきことは向こうからやってくる。それをコントロール整理して隣近所もないところで何日かでも暮らすというのは相当なエネルギーが必要になると思う。私にもし金があってもそのエネルギーは無い。
 「お前に買ってくれとは言わないよ」とでも言いたげな無人の分譲地を、貧乏人根性丸出しの横目で見ながら見事に除雪された道を歩かせてもらった。
 丸沼の奥で除雪は終わり、そこからスノーシューで歩いた。たしか夏には細い径がついている所だがトレースも無く膝近くまで足を沈めながらだったので少し手ごたえのある歩きになった。ゴルフ場脇の道路に出てスノーシューを脱ぎ素晴らしい駒ケ岳を見ながら握り飯を食った。目の前にはゴルフ場がある。そういえば隣のTuru先生に誘われてゴルフをやろうとしたこともあった。それも長続きしなかった。執着できない飽きっぽさもあるがこれにもきっと貧乏人根性がどこかで影響しているに違いない。
 小春日和とでも言うような日差しの中、ポコポコと歩くのは気持ちがいい。山繭の黄緑色が美しかった。何より駒ケ岳が、流れる雲の影で剣が峰の輝き具合を変えて飽きずにシャッターを押させてくれた。
 自然はタダだ。デジカメも何枚写してもタダだ。