無職・昼食・間食=エノキ茸蕎麦

takasare2007-11-01

*[無職・昼食・間食]エノキ茸蕎麦
 相変わらず無職男の昼食は「五目そば」が多い。しかし、今日は五目の内容が違う。主役を味わうために葱しか入れなかったので正確には「二目そば」である。
 先日の毛無山でエノキ茸が採れた。野生のエノキ茸は始めて見た。なめこのようにつやつや美しい肌をして腐木からツンと立ち上がっていた。下を見ると石突の辺りが黒くなっている。Yaさんは「そこが黒いのがエノキの特徴だ」という。色もなめこに似ているがもっと茶色味が薄く、傘も平たい。「これは毒キノコではない」という色と形に見えた。しかし、一人で見たら採って帰ったかどうかはわからない。毒キノコに見えたかもしれない。Yaさんがエノキ茸といったとたん美味しくなるのである。Yaさんは食べられるか食べられないかで採らない。美味しい茸が「採る茸」なのである。私が知っていたエノキ茸は、あの白いひょろひょろの束になった栽培エノキである。沢水で現れたように立ち上げって入るエノキ茸は、色も姿もたくましく同じ名前が不思議なくらい違っていた。
 いつもよりしよっぱさを控えたかけ汁にした。正解。エノキ茸のつるんとした食感の後に、茸の香りが鼻の奥で蠢く。蕎麦の素朴な味にぴったりである。「やはり本物は違う」と独り言ちる。「やはり野生はちがう」とひとりうなづく。
 初めての天然エノキ茸に少しナルシズムめいた昼食になった。