大千軒岳・花

takasare2007-06-12

 今年は旧登山口から登った。毎年6月の上旬は大千軒岳詣でをする。函館近郊の山好きの多くが登る。近頃は、本州方面からツァーを組んで登る人も多い。目当ては花である。この時期の大千軒岳頂上直下の広い鞍部は一面のお花畑になる。私がおもに高山植物といわれる花を花として見る様になるきっかけもこの山である。それから何年も過ぎていない。そして、その数年があったにもかかわらず自分ができる識別は数種類に限られている。
 以前の私には花は「庭の花」と「野の花・雑草」で分けていたに過ぎず、ちょっとよくても「赤い花」「黄色い花」「白い花」という色の区別があっただけである。花の種類は数え切れないほどたくさんあり、その数え切れない種類が、花の部分の形状、数、付き方、葉の形状、数などの特徴から夫々に名前がつけられ、分類整理されている。もともと、科学的に分類整理して覚えるようにできていない私の頭なので難しい。ましてや俳句にしようとするともっと難しい。長いのである。「苧環」は四音で春の季語だが、山の花を詠もうとすると「ミヤマオダマキ」の7音になり、季節も夏になる。残った10音では少なくて私の感動をもてあましてしまう。
 さらに、高山植物を取り巻く環境が私に難しい問題を投げかけてくる。山の花には、絶滅の恐れがあるものもあルカらである。ブログに写真を載せたり、書き込んだりすると盗掘の手引きをすることになるという。こんなブログでも盗掘のプロは見るかもしれないのだそうだ。盗掘のプロがいることも問題だし、それを買おうとする人のいることも問題だが、私はその手引きにはなりたくない。
 絶滅の危惧のあるものは目に触れさせるわけにはいかないと思うが、残念ながら私にはどの花がブログに書いていい花でどれがだめな花なのか区別できない。でも考えてみれば、私のブログに絶滅危惧にある花やや珍しい花を書き込む必要がそれほどあるわけではない。YaさんやSaさんがホームページで扱っている範囲で利用させてもらうことにしよう。私は花の名前を覚えたり、俳句の素材にしたりするために教えてもらうのだから。
 シラネアオイの群落を通って十字架の所に立った。ハクサンイチゲミヤマキンバイミヤマアズマギクが斜面を覆っている。そして強い風に斜面すべての花が震えるようにゆれている。
  お花畠茎の長さではためいて  未曉