袴腰岳・達成感

takasare2007-05-29

 今日の袴腰には二つの目的があった。一つは「桜休み」(私が勝手につけたポイント名)の花見であり、一つは先日建てた頂上看板の補強工事である。
 第2登山口からトラバース路、椴松の植林帯、逆くの字のトラバース路を登り、斜度も無く気持ちよく歩ける林間路を経て、短い崖を登ると何本かの桜がある。距離的にもちょうど一休みしたくなるところにある。残念ながらこの花盛りを見たことが無い。袴腰をマイマウンテンとして自認しているものにとってこれは見ておきたい。昨年は、横津から登ったときに、ここを通ってきた人から「見ごろでしたよ」と聞かされ残念に思ったことを思い出した。一昨日Yaさんから「どこにする?」と聞かれたときこの桜が見られるかな?と思って「袴腰」を希望した。
 桜は咲いていた。2M位の高さの桜だが、ちょうど目の高さにある枝の花がほころんでいた。全体としては2分か3分かという頃合だろう。物足りない。いくつか咲いている花の元を調べていたYaさんとKuさんは、今まで決めかねていた「ミネザクラ」か「チシマザクラ」かの疑問に終止符を打ち、「ミネザクラ」と判断したようだ。二人の科学的好奇心は満足させられたようだ。
 期待はずれで登る三角山から頂上まではザックの中の鉄製ハンマーが重い。登りのスピードが速くならないことだけを考えて、足を出していた。昨秋みんなで刈り払った道は歩きやすい。道らしくなっている。それだけ利用する人が増えているんだろう。それも嬉しい。このごろは、苦しくなると自動的にほかの事を考える癖が付いている。いいことなのだろうか。
 頂上に着いた。看板はちゃんとあのときのまま立っていた。けれど斜めが気になるし、場所もなんとなく遠慮がちで堂々としていない。鞍部から頂上を見たときにいたらしい人はもう下山して誰もいないことになぜかほっとしてしまう。まず昼食にした。
 昼食後、Yaさんが「一番いい場所に鉄杭を打ってみて入りそうだったら移そう」と言う。一本のカンバがシンボルのように立っているその前に鉄杭を据え、ハンマーで撃つとするする入っていく。もう一本分も試してみると難なく入っていく。立っていた看板を支柱ごと抜き、鉄杭に沿わせるように打つと入っていく。2週間前は跳ね返されるような感触で入っていかなかったのに支柱2本とも希望の高さに打ち込めた。そして微調整までする余裕があった。鉄杭を支柱に沿わせて打ち込み針金で結束して看板はしっかり袴腰の頂上に立った。雷に急かされ、雨に追われた前回の作業に比べ、あっけないほど簡単にしっかり立った。今日の二つ目の目標は達成された。
 前にも書いたが、私にはピークに対する執着はあまり無い。まして何回も登った山にはなおさら達成感は感じないのかと言えばそうではない。今日のように何かしら目当てを持って登ればそれに伴う達成感は得られる。桜休みの花見は、来年の目当てにすればいいのだ。帰りのハンマーの重さは気にならなかった。