「田中屋」=東京銀座

takasare2007-05-26

 そういえば連休、東京に行ったときに蕎麦を食べていたことを思い出した。直前、桔梗庵の主人から、「銀座松屋の田中屋でそばを食べてきた。美味しかったよ」と聞かされていたので、歌舞伎を見るついでに行くことを決めていた。
 前日、鎌倉で人に圧倒されて何も見ないで帰ってきたり、帰りに寄った横浜中華街で20分並んで一皿の餃子を食ったり、15分並んで中華料理にありついたりしたが、銀座松屋デパートもいたるところの人で、8階「田中屋」も並ぶ人は、廊下の店側の壁では間に合わず、向かいの壁にも同じだけ並んでいた。普段誰もいない山道を楽しんでいるような人間は、ゴールデンウイーク黙っているしかないのかもしれない。そんな中銀座に来てしまったおのぼりさん、他に行くところもなし、蕎麦屋は回転が速いからと思い並びの列に加わった。ゴールデンウイークだから混んでいるのか、銀座だから混んでいるのか、松屋だから混んでいるのか、田中屋だから混んでいるのか…客が出て行くたびに次の席に尻を送りながら考えてた。
 それでも20分はかかってようやく座れた。座ったらもりとかけを食うことに決めていたので、メニューも見ずにまずもり蕎麦を頼んだ。出された蕎麦は、うっすらもりで大きめの正方形の蒸篭に敷かれている。わさびはおろし金と一緒に一本まま。大根おろしと葱の薬味が付いている。まずは、箸を立てるようにして2,3本そのまま食べる。江戸風のさらりとした食感と香りがある。香りも舌触りなども控えめだから意識的に味わわないと感じ逃してしまう。辛汁は江戸風にしては少し甘くい。その分、蕎麦湯を楽しもうと思ったときはもう蕎麦チョコに残っていなかった。わさびもおろし方が悪いのか辛さが物足りず蕎麦の美味しさを引き出すまででは無かった。いつものように、辛汁をつけて食べる、つけないで食べる、わさびで食べるを2回ほど繰り返したら無くなってしまった。量的にも味的にも「もう少し」感が残った。掛けそばは、甘汁が出汁が効いていて蕎麦を引き立てていた。そこに蕎麦湯を割って楽しんだ。美味しかった。
 待たされたからいうわけではないが、ゴールデンウイークで蕎麦が疲れている様な感じを持って店を出た。