袴腰岳に頂上標識建てる

takasare2007-05-15

 私の都合であまり天候がよくないけれど今週の山行をすることになった。今朝行き先も集合時間も連絡しあうと言うことだったが、Yaさんからの連絡は「できていたら袴の頂上標識建ててしまおう」ということだった。私が看板を背負って、YaさんとKuさんが支柱とする鉄アングルを一本ずつ持って横津の駐車場から歩き出した。二人に鉄アングルを持たせ悪い気もしたが、「スキーより軽い」と言って意にも介していないようだ。レーダーへの舗装路からはずれ高原の道は残雪が所々に残っていて、人もあまり入っていないようだ。とくに烏帽子と袴の鞍部は雪が高低差を少なくしていてくれた。雨粒が思い出したように落ちてきだした。
 頂上に着いたとき時計は12時近かったが雨が心配なのでやってしまおうと言うことになった。アングルに看板をボルトとナットで仮止めをし、場所を決めて打ち込み始めた。場所は頂上の北、大きく幹を曲げたカバノ木の前である。打ち出してすぐ片一方のアングルが入っていかない。岩の感触ではない。どうやら笹の根が邪魔をしているらしい。弾力があり跳ね返される。アングルの先が平らなままなので、かわし切れない様で入っていかない。しかたなく場所を変えた。雨が降ってきたので雨具を着た。結局替えた場所もだめだったが少しずらして打ってみたら入っていった。もう少し打ち込みたかったけれどまたもや笹の感触。少し斜めだったが、ぐらつきも少ない状態だったので完成とした。
 思えば3年前、Waさんが赤川ルートの笹刈をはじめてから袴腰が身近になり、私の学生の頃の思いでも重なって何度か通いだした山頂である。登山グループ「努」が作った頂上標識が壊れかけていた。せっかく赤川ルートから登山気分を味わって登れるようになった山の頂上標識がみすぼらしくて思え、自分で作ろうと思った。板は?鑿は?支柱は?…。セオリーや道具がそろわないと前に進めない性分が完成までに3年もかかることになった。
 赤川ルートの最高ポイントとしてこの頂上標識を考えた。赤川ルート再開を一人で始めたWaさんはもちろんYaさん、Kuさん、Saさん、Kubさん、Kaさんはじめ3年間苦労した草刈のみんなに捧げるつもりで彫った頂上標識である。今年から森作りセンターにより公的に整備されることになったと言う。せっかく建てたけれど取り替えられるかもしれない。それはそれでいい。どっちにしろ3年も持てば…と考えて彫り始めたのだから。
 終わって写真を撮り、飯を食った。帰りしなもう一度見た。少し斜めを悲しむように立っていた。烏帽子まで戻る頃雨が本降りになってきた。袴を振り返るとまったく見えなくなっている。今朝まで私の部屋にあったものが、今雨風にさらされているかと思えば少し後ろ髪をひかれた。ただのセンチメンタルである。どうしようもない。