雁皮平・見られない景色

takasare2007-03-01

 雪に覆われた登山道を歩きながらKaさんと、高校時代にやった新聞局炊事遠足の思い出話になった。五稜郭公園の裏に鍋釜持って集まり、亀田牧場や、雁皮平まで歩いたことがある。懐かしさ以前の思い出で、中身はほとんど忘れている。思うのは「ほんとうにここまで歩いてきたのか」というその距離の長さである。今は車で来てしまう。
 いつもどおり、陣川温泉の少し上、通称ローターリーの所に車を止め蝦夷松山、雁皮山への登山道をツボ足で登った。雪でアップダウンが緩やかななっているせいか、案外楽にゴルフ場への分岐に出た。今日は、蝦夷松山へ行かずいつもはその頂上から見下ろすだけの大きな湖のような笹原をスノーシューハイクする。左に蝦夷松の鋭い岩峰を見て回り込むように東側に出た。夏は鬱蒼たる根曲がり竹で歩くことなど出来ない。桔梗から見ると単に稜線の端にしか見えない蝦夷松山が岩むき出しの険しさを見せ聳えている。高さを抜きにすると「カッコイイ」のである。そこから尾根伝いに雁皮山系が青空を遮っている。スケールは小さいが、雪の平原とその足元からら急斜面でそそり立つ山々のありようは大陸的である。右奥には三森山がやはりいつもと違う山容で構えている。そして、これまたいつもと違って振り返っても函館市街や函館山が見えない。積雪のおかげで、少し山を回りこんだだけなのに素晴しい新鮮な景色を愉しむことができた。何より、雁皮平と言う名のとおり登りが少ないのも嬉しい。来冬も是非歩きたいスポットだ。
 ちなみに私たちが高校時代炊事遠足したのはきっと今のゴルフ場のどこかなのだろう。そういえばその高校も今春で閉校するという。ますます思い出は遠のいていく。