庄司山・暖冬異変の山歩き

takasare2007-02-06

 「大沼雪と氷の祭典」に続いて「札幌雪祭り」。それだけではない。全道各地で寒さを愉しむイベントが目白押しのこの時期、言い換えれば最も寒いはずのこの時期今年は暖かい。というより寒さが無い。いくら鈍感な人でも漠然とした不安を感じてしまうだろう。漠然としているだけにもっと怖い。
 その怖さを忘れて雪が少ないことこれ幸いと今日は庄司山への雪上歩きをした。地球温暖化問題にもつながる怖さを感じている割にはやっていることはいい加減かもしれない。先日歩いたバカ常の尾根を蒜沢をはさんだ南の尾根を登り、庄司山の南尾根ルートの登山道にとりつくコースである。夏は笹で歩けない。誰もいない畑の真ん中の吹きっさらしの農道に5台の車を停めて農作業道を歩き出した。
 しかし、話題のほとんどが今までの冬との違いである。やはりみんなの心にある不安が喋らせてしまうのだろう。(例年の今頃と比べて)の前置きが必要なくなっている。「畑の土が出ている」「スキーはいていたよな」「この斜面もスキーにいいんだけどなー」スキーを履きたくてうずうずしているYaさんとSaさんは林間の緩やかな斜面を見てため息である。今日はKaさんのスノーシューデビューでもあったので早めに履いたが、Saさんはしばらくツボ足で歩いていた。「笹が見えるも」「庄司山をつぼ足で登れたの三月末になってからだで」「もう木の根の周り土が出ている」「蕗の薹もでてるし」…。
 登り口に近くなったらさすがにスノーシューの沈み込みは深くなったが、それでもゆっくりながらリズミカルに歩ける。庄司山の南尾根ルートは結構斜度がありそれなりにつらい。汗だくになりながら登った。「頂上の鳥居隠れていない」「周りの山、木が目立って黒く見える」真っ白に雪を被っているのは烏帽子岳ぐらいで今年の少雪がはっきり分かる。中野ダムの湖面は薄紫の部分がいくつかあり氷の薄さが見て取れる。下山は雪の薄さが十分予測できたので北面ルートを取った。途中からスノーモービルのトレースを辿り、夏はとても通れない笹原の上を楽しく歩いた。距離からすれば大きなショートカットができた。
 帰りの畑の中は、畑の土を掘り返すような歩きになってしまった。このまま春になってしまったら夏はいつから始まるんだろう。そしてその夏はきっと水不足の暑い夏になるんだろうななどと思い、重く感じ出したスノーシューを引きずりながら冬日の中に沈むどれもグレーの5台の車を目指した。