袴腰・徐々に増えて

takasare2006-09-23

 あまりの好天気に妻が「横津へ行こう」と言い出した。どうせ行くなら横津のアスファルトの上を歩くよりは登山気分を味わえる赤川からの袴のほうがいい。一昨日昇ったばかりだけれど、一昨日笹刈りのときは、山頂は単なる昼食場でしかなかったから、ただ登ってただ降りてくる本来の袴腰登山なら飽きることは無い。妻も土の上を歩くほうが気持が良いに決まっている。
 椴松の造林を過ぎ、ジグの最終部に熊の糞があった。一昨日は無かったし新しい感じがしたので昨晩のかもしれない。ホイッスルを少し余計に鳴らしてその場を過ぎた。第二登山口に車が一台あったので先行者もいるようだし…。
 先行者とは頂上東の鞍部直下のトラバース路ですれ違った。大きな三脚を手に降りてきたが、山には似つかわしくない白いジャージ姿の若い人だった。このコースで人と会うのは久しぶりだし、めったに無いことなので、笹刈りをしている我々にすれば嬉しいことだ。頂上には、夫婦とその友人の三人組がコッフェルで湯を沸かし、昼食中だった。聞けば、一週間前に東京から引っ越してきたばかりで何十年ぶりかの故郷函館を一望しようと横津〜袴腰に着たとのことである。函館であちこち山登をしているお義父さんが薦めてくれたらしい。嬉しかったのは、そのお義父さんは、赤川コースが笹刈りされてからは赤川から登っているらしい。三人の人たちも、この次はぜひ赤川コースを登ってみたいと言っていた。帰り際、もう一組夫婦が横津から登ってきた。「楽しみにしていた竜胆が無かった」と言うので、赤川への降り口を指しながら「すぐ下ったところに幾株か咲いてますよ」と教えてやったら、だんなの方が荷物を置いて降りていった。しばらくすると戻ってきて「車で来てなければ
こっちを降りたい」「今度はぜひこっちのコースを…」と言っていた。帰りに、二組の人と出合った。そのうちの一人は「熊の糞がありましたね」と緊張した面持ちで右手に熊除けスプレーを持っていた。それでも登っていった。徐々に増えている。徐々に広まっている。一昨日の汗が報われる感じがする。来年春がんばって笹を刈る意欲が湧いてくる。
 第二登山口(写真)に、すれ違った二組の人たちの車は無かった。少し離れた空地に一台、アメダス口に一台あった。「車停めるスペースは少ないなぁ」などと、登る人が増えれば増えたでそんなことまで考えてしまう。