去年の6月急に思い立って始めたブログ。一年が経ってしまった。日記は「三日坊主」と言うし、実際過去に日記帳やノートを用意したり、学校での備忘録などデスクダイアリーをもらったりするたびに挑戦したが継続できたためしは無い。
どうして続いたのだろう。簡単である。無職になって時間があるから…と言うより、ブログを書くことが仕事とまでいえなくても、日課になったからだろう。
 時間的な意味からだけいえば、きわめて他動的な勤務時間に合わせてむしろそれを中心として時間を使っていた日常から、丸一日、毎日自律的に時間を使う日常に180度変わった時の困惑である。退職者はそれを乗り越えなければならなかったのである。退職前、「退職者は生きがいを見つけ生き生きとした生活をしなければならない」と対極に日永テレビばかり見て痴呆症状を進行させる姿をイメージさせてあおる世間があり、身近な例もあった。幸いなことに私の反発心は「テレビばかり見ていたい自分ならそれも人生だろう」と、世間が押し付ける強迫観念を薄めてくれた。しかし厳然と時間は有る。自分は何をしたいのか。自分に何ができるのか。飽きっぽくそれでいてなんでもやりたがり、小器用にできればそれで満足してしまい、押し付けられれば引き受けてしまう…。
 でも、結局私がそうならそれをするしかない。
 やりたいことをやり、小器用にできた段階でやり遂げた気分になり、断れない自分をなだめすかしてやらなければならないこととして人の良さを発揮する。蕎麦紀行を含めた4〜6月の3ヶ月でこう開き直ったときに、展望が開けたのである。そして東京の娘との何気ない電話の会話で蕎麦紀行の話をしたら「ブログを立ち上げたら同じような人からアクセスあってひろがるかもよ」の一言があったのである。「お金がかからないのもあるんだよ」が後押しとなって次の日には「全部無料で作る初めての人のブログ」と言う本を買ってきていた。