「南部蕎麦」八戸

takasare2006-05-12

 毎年この時期にボーニで開かれる「東北物産展」は蕎麦好きには「狙い目」である。昨年福島山都町の「蕎邑庵」が開いた茶店で食べた蕎麦は、その後「蕎麦紀行」で直接訪れて食べた蕎麦より美味しかった。物産展あなどるなかれである。今回は残念ながら茶店は無く数店試食形式で紹介販売していた。山形も福島も乾麺を並べていた。唯一つ、青森だけが、手打ち実演で打ち上げた生蕎麦を売っていたのでそれを買った。田舎蕎麦、二八蕎麦、手打ち蕎麦と三種あったが、二八蕎麦から一パックとって「これください」と渡したら、わざわざこちら側に出てきて、私が渡したものをもどし、見比べ選んでから別なものを包んでくれた。きっと打ち立てに近いものを選んでくれたのだろう。何もしゃべらなかった。こういう人の打った蕎麦はきっとうまいだろうと思った。
家に帰って早速湯を沸かし、まず一人前を茹でてもり蕎麦で食った。たまたまアイヌ葱を漬けた醤油があったので作りおきの甘汁にたして漬け汁にした。香りも喉越しもいい。蕎麦の食感が少し物足りないが美味しく食べられた。いつものように、もり蕎麦を食べている内に掛け蕎麦にしたらどうだろうという気持ちが強くなり、残りの茹で汁をもう一度火にかけた。打ち粉がとても多い。打ち粉で蕎麦の劣化が防げるかどうかは」わからないが、こんなところにもあの蕎麦職人の気持ちが込められているようにも感じた。このかけ蕎麦はおいしかった。口に入れたときに広がる素朴な蕎麦粉の味、鼻に抜けていく香り、少し引っかかる食感と喉越し蕎麦でなければならない蕎麦の味が楽しめた。私のゆで方で、私のたれでこんな感動を味わえるとは…。おそるべし「八戸南部蕎麦」恐るべしデパート物産展。八戸に行ったときどこで食えるのだろう。
青森南部手打ちそば 青森県八戸市尻内町下根市24−6TEL 0178-27-9084(有)八戸屋