駒ケ岳山麓

takasare2006-04-26

  大沼の国際セミナーハウスに車を停め、園内の水芭蕉を楽しんだ。近くにアズマイチゲの群落があると言うので、一度大沼周回導路に出て沼に流れ込む川を越して再びセミナーハウスの裏に回りこんだ。残念 あのまま谷地に道を探して進めばよかったようだ。アズマイチゲは対岸になってしまっていた。帰り車に乗るときにもう一度挑戦することにしてそのまま川沿いに湿地を進んだ。アイヌネギが半径1メートルほどの広がりで群生していた。山谷さんの言葉に甘えて、太めの物を少し収穫させていただいた。道を間違えても楽しいことがあるのがいい。これも、先が見えている山谷さんがいるからだ。結局そのまま谷地をつっきり別荘分譲地に入り円沼に出た。大沼、小沼、ジュンサイ沼の他に円沼のあったことを知る。小さな沼だけれど周りから隔絶されて別世界である。無住の建物が点在しているが邪魔にならない。私たちが沼に近づくと青鷺が二羽左右に飛び分かれていった。逢瀬の邪魔をしたようだ。一休み後別荘地をそのまま突き進んでゴルフ場を割って駒ケ岳の登山口に続く舗装道路を緩やかに登っていった。ここの辺りも分譲地である。ほとんどが未分譲で建物もほとんどが無住で洗濯物があったのが一軒だけだった。放し飼いの犬に吠え追い立てられるように入山禁止のゲートをくぐり、犬に解放されたところで昼にした。
 最高の天気である。晴天無風、ぽかぽかと暖かい。ひびだらけのアスファルトに腰を下してのんびりした。昨年の秋以来の好天気のように思った。
 戻り始めてすぐ、山谷さんが「キベリタテハだ」と歩を止めた。翅の外周が太い黄色で縁取られている蝶がひらひらと力なく日向に降りた。飛び去る前にとあせって遠くから写したが動かない。だんだん近づき最後には枯れ枝で刺激してお休み中に無理に翅を広げさせ充分撮影した(写)。ゲートまで戻ると、監視らしい人がいて事情を聞かれ、「一応入山禁止なので…」と注意されたが早く駒ケ岳に登れるようになれば…などと四方山話になった。 
 後は気持ちよい天気の中を荒れた別荘地、不法投棄のごみの中、舗装道路を湖畔まで下り、セミナーハウスへの道を辿った。大沼一週の予定だったが、アズマイチゲの群落を追ったことから駒ケ岳山麓歩きになった。 
 水芭蕉の妖艶さ、青鷺の恋路、鴨の夫婦の小さな沢水での逢瀬、土の下に待っている芽吹き、待ちきれずに咲いた白いアズマイチゲや黄色のナニワズの花。生きるもののフェロモンが満ち溢れたなまめかしささえ感じてしまう春日だった。アズマイチゲの群落は見に行くのをやめ車で湖畔を一周して帰途にについた。