七飯岳(雪)

takasare2006-04-15

 今日を逃すとしばらく好天が期待できないための山歩きとなった。今日の楽しみは、尾根への取り付き斜面の福寿草である。昨年は4/18に満開だったけれど、雪が多かった分今年はどうだろう。林道部分にちらほら見え出した黄色い花は、取り付き斜面にたくさん咲いていた。その斜面を直登したが足の踏み場に困ったくらいである。この尾根の林間はとても雰囲気のいい道なのだが、すぐ右下に採石場が見え、作業車の音がうるさいのが難点である。その音を掻き消すように透きとおったきれいな鳴き声が聞こえてきた。ピットゥーンと文字では書き表せられないような声の主を探した。工藤さんが姿を見つけ声を出し、私が足を踏み出して枯れ枝を踏んだとたん、ジャーギャーと言う声に変わった。「なんだミヤマカケスだ」と判明。カケスにあんないい声があるとは思わなかった。恋路でも邪魔してしまったのだろうか。
 採石場の切り崩した現場の恥を通って一段上の尾根に取り付き、再び林間に入った。今度は雪がある。スノーシューやらスキーやらのトレイル硬くなっているが腐れていて歩きづらい。山谷さんはプラの兼用靴ということでいっそうゆるくなさそうだ。山頂からの大きな斜面につながる急勾配の所は爪先を雪に差し込んで足元を確保してから体を引き上げて登った。頂上直下の斜面にも雪が残っていて、土(滑りやすい)、草、硬い雪面、膝まで埋まる部分など一歩一歩に緊張が必要でその分疲れた。(写真)頂上部は風が強かったので20mほど離れたところで食事にした。2時間半かかった。
 頂上の平坦部を歩きながら、大沼越しの駒ケ岳、尾根続きの横津、ビニールが鈍く日の光を返している大野平野が一望できる。景色に気を取られて歩いていたら山谷さんに雪庇に気をつけるように注意された。危ない危ない、知っていることと実際にその知識を生かすことはだまってできることではない。
 帰りは、雪面の硬軟でバランスが取りづらく、ストックがとても役に立った。
 美味しそうな蕗の薹を10個ばかり採り、また福寿草を踏まないようにしながら林道に下りた。靴は、雪や泥や枯れ草をつけて今日の歩きを物語っていた。