「都庵」北斗市

takasare2006-03-09

 新生北斗町だけれども、元のくすんだ感じの入り組んだ道のままの上磯町である。合併したからと言って町並みが変わるわけではないだろうが、「新生」の感じはどこにもない。きっと行政ペース、町民不在の合併だからだろう。
 駅前に行ってやっと「都庵」を見つけることができた。ここは、新生である。前面に駐車場を広く取り改築新装オープンしたばかりのようだ。中に入ると木の香りがツンと鼻をつく。4人掛けの卓が五つ。奥には掘りごたつ式の小上がり席に4卓ある。入り口右に壁に向かうようにカウンター席がある。奥の小上がり席に陣取り、メニューを見る。品数が多い。最上段に、かけ・もり450円と書かれている。少しでも蕎麦屋ということにこだわりを持っている店では、もり蕎麦が最上位に書かれていることが多い。かけ蕎麦は別項の温かい蕎麦欄に書かれていたりする。もり蕎麦を「蕎麦」とする考え方が蕎麦専門店の一般的な考え方だとすると、都庵は一般的な蕎麦専門店ではないことになる。
 出されたそばをを口に入れた。つるつるで蕎麦の食感よりもうどんに近い。蕎麦の味はするから二八くらいの自家製麺機械切りではないだろうか。そば猪口の上の小皿にはたっぷりの刻み葱とわさびがのっている。その小皿を取ると猪口の中は溢れんばかりのつけ汁が入っている。つけ汁は甘い。ぬれぬれでつるつるの麺を少しぐらいつけただけでは味がない。たっぷり入れると溢れそうだ。一箸全部汁に入れて、箸でつついてから猪口に口を付けて食べるような客が多いのだろうと思う。昔私もそうしなければ美味しく思わなかった。わさびを付けるとわさびが勝ってしまう。きっとわさびを自分の好みで汁に溶かして食べるといいのだろう。蕎麦湯もうすく、残った汁も多かったので入れようがなくて一口で止めた。
 蕎麦を中心にした定食が写真入でメニュー化されていた。蕎麦中心のファミリーレストランなのである。店の作りも、メニューのつくりも、駐車場のつくりを見てもファミレスだと思えばうなづける。蕎麦の作りもそこに標準を合わせているとすれば、むしろ良心的なつくりと言える。私の後ろに、小さい子用の座面の厚い座椅子がおかれていた。