横津岳山道(舗装路)歩き

takasare2005-12-06

  山谷さんの飼い猫の具合が悪くなり、受診治療後の行動になった。今シーズン横津のスキー場はクローズとなり、保健林の所にゲートが造られてしまった。しかし、航空局の電波アンテナの保守のためゲートの奥には舗装道路いっぱいに除雪された道がこれ見よがしに続いている。11時ゲートの前に車を置き歩き出す。ゲートの横には除雪された雪を蹴散らすように無理矢理突破した轍が最小の弧を描いている。誰だろうなンのためだろう。
 昨晩の予報より数段天気は良い。風も弱く、陽射しが暖かい。「冬麗ら」の陽気である。ていねいに除雪されているため、日当たりのイい所は路面が出ていて歩きやすい。勾配も変化が少ないので快調に歩ける。
路端の少し雪が寄せられた所には歩くスキーの跡が残っていた。我々のように、この道を弁当持って登るのも物好きかと思うが、どうして、我々に負けない物好きは多い。そしてお互い内心で(すきだなぁー)などと思っているのである。あたりは、一面の冬枯れの景色が広がるばかりで二人の話は四方山話に終始する。150mくらい登って函館の街がいつもと違う角度で見えて来た。この高さは、ふだんは車の中なので今日は新鮮なのかもしれない。街は陽がさしているのに灰色が勝っている。「冬日」なのだろう。
 1時間程でゴルフ場に着いた。わずかにアスファルトがでているところに腰を落ち着けて昼にした。子どものこと等話ながら食っていると、下から車が登って来た。ゲートは開けて来たのか強行突破したのか。スタートが遅かったので、今日はスキー場までの行動と決めて歩き出した。道は雪に覆われ締まっているのでとても歩きやすい。高くなって来たせいか寒さを感じだしたのでヤッケを着た。また一台車が来た。今度の車は腹に「横津岳スキー場」と書かれていた。これは鍵を開けて入って来たなと思いながら見送った。鳴川岳を左手にトラバースして昼食後1時間でスキー場に着いた。除雪はスキー場で終わっている。最終地点に、我々を追いこして行った二台の車があった。スキー場の車の人帰る所で話をした。強行突破の車があることをこまっていた。もう一台の人たちは、今シーズン使われないゲレンデでスノーボードを楽しんだらしい。今は、ふたりでジャンプ台を作っている様子がリフト鉄塔の下に小さく見える。やはり相当物好きだ。
 13時40分下り始めた。帰りは足元の心配なく歩けるので、函館の裏景を愉しみながら歩いた。函館の街は函館山を先に砂嘴津軽海峡に伸ばしている。海を照らす冬の日は湾型に白く輝き、その逆光で街は灰色に沈んでいる。(写真)山は、葉を落とした無数の木々で毛の生えた獣の腹のようになだらかな曲線を見せて累々と横たわっている。雁皮の山肌にはこの前歩いた林道が雪の直線になって見えた。
 15時15分ゲートに着いた。鍵がか懸かっている。あのスノボーの車は、帰りも強行突破しなければならない。