餅搗・為兼題

餅を搗く兄を離れてきな粉鉢  未曉

 今日は餅搗き 玄関の三和土に臼 ストーブの上で湯気を噴く蒸籠

母や祖母があいどりして父が搗く 兄が搗く 時には父があいどり

祖母が大活躍をする 蒸し加減 あいどり 打ち粉を広げた飯台で餅をのす

 私は、ふだんと違う我が家に興奮しながらも、搗けばへっぴり腰と笑われ、丸餅は円くならずで役立たず。きな粉の小鉢や納豆の小鉢を持ってあいどりの手からちぎってもらう餅を食べながら兄の口に入れてやるくらいでウロチョロしているだけ。

 昭和30年代始めの頃のこと